投稿日2017年10月31日

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水溜りのゲンゴロウ

雨が降れば水溜りができるのは当たり前ですが、その水溜りも注意深く観察すると、面白い生物がいることがあります。

なんと、家の前の駐車場にできたこんな小さな水溜りにゲンゴロウ Cybisterjaponicus がいたのです!

それがコチラ!

丸くて可愛いですね!

後ろ足に水かき状の毛(遊泳毛)がついており、泳ぐのが非常に速いです。また、体が流線型のため、掴もうと思ってもなかなか掴めません。

ゲンゴロウは翅の下に空気を溜めており、しばしばこの空気の一部を尾端から気泡として水中に出しています。この気泡内の空気中の酸素分圧が下がり二酸化炭素分圧が上がると、水中に二酸化炭素が溶け出し、逆に水中に含まれる酸素が気泡の空気中に入り込むことが知られています。このため、いったん翅の下に空気を取り込んで潜水すると、そこに元々含まれていた以上の酸素を得て長く潜水活動をすることができるという仕組みらしいです。

水かきと流線型フォルムによる遊泳速度、そして少量の空気による長時間潜水、まさに生きた潜水艦ですね!

体の側面が金色をしており、非常に美しいです。

5cmほどの水深と、陸地だけ用意してあげればあとは何も入れずに飼育できます。
しばしば陸地に上がり甲羅干しをすることで、体温調節・殺菌・飛翔の準備などをしていると考えられています。餌はクリルや、刺身、オキアミなど色々食べてくれるため、非常に飼いやすいです。餌あげ後は水換え必須ですが(笑)

こんなに飼いやすく、可愛いゲンゴロウですが、実は絶滅危惧II(VU)(環境省レッドリスト)に指定されています。これは同じ水生昆虫のタガメ Lethocerusdeyrollei よりも絶滅危惧が心配されていることになります。

ゲンゴロウはタガメと違い、水生の幼虫が蛹になるための土でできた場所が水辺の近くに無くてはなりません。そのため、護岸の工事等の影響をもろに受けてしまうことなどが理由の一つであると考えられています。

台風後の水溜りには貴重な生物がいる可能性があるので、雨が止んで晴れたらすぐに水溜り観察に出かけましょう!

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