投稿日2016年07月26日

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2種類のキヌバリの生息地

日本全国に生息するキヌバリ Pterogobius elapoideは、薄桃色でちょっと派手な色をした魚です。
写真のキヌバリは岩手県の沿岸で採取されました。

キヌバリは体にある黒い線の本数が地域により異なります。具体的にいうと、日本海側では7本になり、太平洋側では6本になります。前者は日本海型、後者は太平洋型と呼ばれています。
同じ種類の魚でここまではっきりとした地域差がある魚も珍しいので、図鑑のコラム等でもよく紹介される内容です。

ですが、改めて先ほどの写真を見てみると・・・、

岩手県沿岸、つまり太平洋側で採集したキヌバリなので、体の黒い線の数は6本の太平洋型、と思いきやこのキヌバリは黒い線が7本あるので日本海型だとわかります。

過去に採取した太平洋型のキヌバリは、たしかに体の黒い線は6本しかありませんでした。

実は、太平洋側でも三陸の海までは主に日本海型のキヌバリが生息しています。

これには、日本の周りの海の流れ(海流)が関係しており、簡単に示すと日本はこのような4つの海流に囲まれています。

※実際は毎年流れ方にも変化があり、もっと複雑な流れをしています。

これを見るとわかるように、三陸の海は津軽海峡を抜けてきた日本海側の海流(対馬海流)の影響を受けています。そのため、三陸の海では日本海型のキヌバリが生息しているのです。

一方、本州南の太平洋側の海流(黒潮)は、千葉県付近からほとんどが東に流れていくため、三陸の海に与える影響は少ないのです。太平洋型のキヌバリは海流に妨げられ関東より北の海にはあまり生息していません。

三陸の海に日本海型のキヌバリがいるのにはちゃんとした理由がありました。
海流が海の生き物に与える影響って大きいですね!

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